「夏休み」を過ごす
わたしの子よ、あなたはキリスト・イエスにおける恵みによって強くなりなさい。(テモテへの手紙Ⅱ 2:1)
夏休みをいかがお過ごしでしょうか。今号では、あくまでも園長個人の思いではありますが、長い夏休み期間を過ごすにあたり、ご家庭で是非心がけていただきたいことをいくつか申し上げたいと思います。
先ず、是非子どもの自尊感情(自己肯定感)がしっかり育つように、子どもの言動を受け止めて支持する関わりを心掛けてください。人は誰も自分を超えた大きな力によってこの世界に生かされており、こうして生かされていることそのものが尊く素晴らしいことです。私たちも、喜びと感謝を基本に生きていけるよう、お互いを尊重して生きる態度を身に付けていきたいものです。
子どもの自己肯定感を育むことは、決して子どもの言いなりになって甘やかすことではなく、間違ったことを容認することでもありません。自分は神によってこの世に命を与えられた取り替えることのできない存在であり、その自分をしっかり表現することは大切なことである、という思いを持てるようになることが自己肯定という言葉の内実です。そして、このような思いは、大切な人に受け容れられ肯定されている実感を土台にして育つのです。時には、子どもの誤りを指摘したり叱ったりしなければならないこともありますが、その時も子どもの人格を否定したり傷つけたりするのではなく、その課題を乗り越えることで、子どもの可能性が更に広がることを願って関わるべきでしょう。
第2に、上記のことと深く関わりますが、子どもがいろいろなことに自分でチャレンジする機会を与えていただきたいと思います。その「いろいろなこと」の中身は、奇抜なことや特殊なことではなく、例えば、日々の衣服の着脱、ヒモ結び、トイレの始末などに、なるべく手を貸さずに見守り、子どもが自分で取り組んだことを認めて励ますように心掛けてください。こうしたことは、子どもが生きていくことの土台になるのです。
第3に、日々体を動かして遊ぶ時間を持ちましょう。文部科学省では、4年ほど前に「幼児期運動指針」を示して、幼少期の子どもに毎日60分以上体を動かす機会を与えるように促しています。近年、私たちの生活は自分で体を動かす機会がめっきり少なくなり、電子機器での遊びは幼少期の子どもたちの運動不足と他者と心をかよわせる機会を奪い、心身の健全な発達を脅かす大きな原因になっています。各ご家庭におかれましては、子どもたちが夏休みの間も様々な運動遊びをとおして体の各部位を自然にたくさん動かし、心身の発育に良い刺激を与える夏を過ごす工夫をしてください。
もう一つ、起床から就寝までの生活を整え、子どもたちの排泄リズムを整えてください。ことに排便は一日の食事や睡眠の時間と深い関わりがあります。早寝早起きの生活習慣を保ち、毎日の食事の時間を定め、規則正しい生活を心掛け、その中で朝食後あるいは夕食後の決まった時間に排便する習慣を身に付けられるように願っています。夏は、子どもが自分で衣服の着脱を管理しやすく、一人でトイレで排尿、排便が出来るようにする絶好の季節です。よい習慣が身につくように心がけましょう。
良い夏休みが過ごせますように。また、夏期預かり保育を有効に活用してください。