「やってみる」こと
イエスは、「何をしてほしいのか」と言われた。 (マルコによる福音書10:51)
多くのノーベル賞受賞者が、「私の業績は、たくさんの失敗を重ねることから生まれた。」と言っています。また、それらの人の中には、「私の業績は、失敗の中からたまたま見つけたことの結果である。」と言っている人もいます。
子どもたちの遊びを見ていても、新しい発見やそれによる経験のひろがりは、順序立てた計画に基づいた行動によって得られるだけではなく、たまたま起こった出来事や意図したこととは違う出来事をきっかけにして与えられる場合も多いように思えます。
子どもたちは、「やってみたら出来た、それが自信につながった」という経験をたくさん積み重ねています。でも、それだけではなく「やってみたら、いつの間にか始めにしようと思っていたこととは違う展開になってしまった。が、その結果は?」という経験をたくさんしており、それもまた子どもの成長にとって欠かせない大切な一面になっています。
例えば、子どもたちがいつものようにダンゴ虫を探していると、予想していたように、いつものプランターの下にいるダンゴ虫を見つけて喜ぶこともあるでしょう。でも、プランターを動かしてみたら、コオロギがとび出てきて、同じ場所にいる生き物が季節によって違うことに気付いたり、そのようなことをきっかけにして、虫の種類や生態の違いに興味を向けていくこともあるのです。
こうした「思わぬ発見」や「予想外の展開」は、子どもの心に広がりや深まりを与え、情緒を豊かにし、物事に柔軟に対処していく力を身に付けさせます。
いずれにしても、子どもが実際に「やってみる」ことがこうした経験の出発点になります。子どもたちの「やってみよう」とする思いを育て、失敗を恐れて萎縮することのないように見守りましょう。
やってみた結果が仮に上手くいかなくても、失敗は、その後の知恵と力に変わります。子どもたちが思い切り色々な事に挑戦できる秋にしていきたいと思います。