2023年09月28日

「愛に基づく保育」 (愛恩便り 2015年4月)

「愛に基づく保育」(2015年4月)

 新しい年度に入りました。進級、新入園おめでとうございます。

 わたしたちの「愛恩幼稚園」はキリスト教の幼稚園です。幼稚園はキリスト教の信仰と精神に基づいてフレーベルによって始まりました。

 イエス・キリストの教えと行いの中心には、いつも「愛」がありました。わたしたちの幼稚園の保育も、主イエスさまをとおして表された神の愛に基づいています。

 「愛」とは何でしょう。聖書が伝える「愛」とは、「神さまのお考えが相手と自分の間に現れ出ることを願って、どこまでも関わり続けること」です。ですから、相手に対して無関心でいることや相手を思わずに自分勝手に振る舞うことは、主イエスさまの教える「愛」とは正反対のことであると言えます。

 近年、家族や地域に限らず、人間関係がずいぶん希薄になり危うくなってきているように感じるのはわたしだけでしょうか。保育行政の面では、部分的には過剰とも言えるサービスが提供される一方で、その内容、質の面では「愛」を欠いた状況があちこちに見られます。設備の整った保育施設の中であっても、保育士と笑顔を交わし合いスキンシップをとる機会が少ないために、幼い子どもたちが情緒的に不安定になっている事例も多いのです。愛は特別に取り出したカンフル剤のようなものではなく、日々の人間関係の中に溶け込んでいるものであり、またそうなるように心がける必要があります。

 人間に本来与えられているさまざまな可能性は、人と人の関係の中で芽を出し、花開き、実を結びます。愛は、人が人として精神的に成長していくために「心の栄養素」として絶対不可欠であり、人は「愛」によって互いの「愛」を育むのです。そして、その始まりは、赤ちゃんが生まれたとき、いや、赤ちゃんが母親の胎内に宿ったとき、もっと言えば親となる夫婦の間に既にあるといっても過言ではないでしょう。

 子育てや幼児教育も、原点はこの「愛」にあります。愛に基づき、「今、神さまは自分の目の前にいるこの人(この子ども)との間にどのような姿が現れ出ることを願っておられるのだろう」と自分に問いかけながら、わたしたちは子どもたちと関わり、皆さまと良い交わりを創り上げていきたいと思います。

 春です。教職員一同、互いに「愛」を育み、自分と同じように隣人を愛する人になれるよう、祈り合い、神さまから与えられた勤めに励んで参りたいと存じます。

 ご家庭でも、一つひとつの出来事の中に神さまから与えられた「愛」の姿が現れ出るように、心がけてくださるようお願いいたします。

子どもたちと、幼稚園と、ご家庭の中に、そしてその関係の中に神の愛の姿を実現していけますように。


 * 2015年4月から2020年3月までの6年間を愛恩幼稚園園長として勤務しました。毎月のお便りである『愛恩便り』に園長として巻頭文を記しました。その文章を本ブログ「幼稚園だより」に掲載して参ります。

posted by 聖ルカ住人 at 16:06| Comment(0) | 幼稚園だより | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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