私たち夫婦が3人の男児を育てるのにエネルギーを使っていた頃、教会の或るおばあさん信徒がよく次のように言って妻の子育てを励ましてくださいました。
「今が華よ。」
子どもの行動範囲が広がり、一時も目を離せない中で、炊事、洗濯、掃除などの日常的な家事をしながら、育児をする時期があります。私たち夫婦は、3人の男児の子育てに時間的なゆとりもなく、夢中で子育てをする時期に、幾度「今が華よ」という言葉に自分を取り戻し、励まされたことでしょう。
この言葉をかけて戴いたとき、私の胸には「そうは言っても・・・。」という思いも付きまとっていたことも認めねばなりません。でも、それはかつて私たち夫婦よりもっと厳しい状況下でお仕事もし、子育てをなさった方の実感でした。
既に3人の息子たちは成人し普段は老夫婦二人で過ごしている私は、子育てに奮闘する若いご夫婦やお母さんを見かけると、「今が華よ」という言葉を贈りたくなります。
子育ては、時間的にも、心理的にも、経済的にも負担がありますが、親子の関わりの中でこそ知ることのできる子どもの命の輝きを見逃すことなく、「今」の子育てを楽しんで欲しいと思います。子どもは、そして私たちは、「今」しかない時を日々生きているのですから