2022年03月06日

58.εξοδοs エクソドス

εξοδοエクソドス

 εξοδοs エクソドスという言葉そのものが、日本語訳の聖書の中に載っているわけではありません。その意味で、今回の「聖書のキーワード」は、いつもとはちょっと違った切り口からの採り上げ方をしていると言えるでしょう。

 先ず、この言葉が用いられている箇所を拾い上げてみます。

「信仰によって、ヨセフは臨終のとき、イスラエルの脱出について語り、(ヘブライ11:22)」。

「イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期について話していた(ルカ9:31)」。

「自分が世を去った後もあなたがたにこれらのことを絶えず思い出してもらうように、(Ⅱペトロ1:15)」。

 以上3箇所のそれぞれどの訳語が、εξοδοs エクソドス であるか、推測できますか。その答は上から「脱出」、「最期」、「世を去った」です。

 εξοδοs は、εκ(外に)という接頭語とοδοs(道)という言葉から成り、「出て行くこと」、「出発」、そしてこの世から出て行くという意味で「最期」、「死」の意味が含まれています。

 ヘブル語で記された旧約聖書のギリシャ語訳で、「出エジプト記」のことをεξοδοsエクソドス と言います。このような用い方から、この言葉のニュアンスが感じ取れるかと思います。

英語でExodus は「出エジプト記」の意味、また、the Exodus でイスラエルの民のエジプト脱出の意味、exodus は「大勢の人の外出」や「移民などの出国」を意味する一般名詞として用いられているようです。

聖書のキーワードとして興味深いのは、上記のルカによる福音書9:31での用法です。いわゆる主イエスの変容貌の物語の中で、白く目映く輝いたイエスがモーセとエリヤと話し合っていた内容が、「イエスがエルサレムで遂げようとするεξοδοs について」であったことです。このεξοδοs は、十字架の死の意味でしょうか、死からのエクソドスという意味で「復活」のまでを意味するのでしょうか、この世からのエクソドスという意味で「昇天」までを言っているのでしょうか。

いずれにしても、この言葉は、イエスによる神の御心に成就を意味する興味深い言葉であり、私たちはイエスのエクソドスによって贖われ、私たちも日々古い人間に死んで新しい人間に生まれ変わって救いの中に生かされています。その意味で、私はエクソドスは新生をも意味しているように思えるのですが、いかがでしょうか。

posted by 聖ルカ住人 at 22:48| Comment(0) | 聖書のキーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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