2023年02月13日

確かな秩序と方向を  (あいりんだより2009年6月号)

確かな秩序と方向を                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             


 神は言われた。「光あれ。」 こうして、光があった。神は光を見て、良しとされた。神は光と闇を分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。                (創世記第1章3~5節)


 神さまは、天地創造のお働きを、混沌とした闇の世界に「光あれ」と言って光と闇を分けることでお始めになりました。きっと心を込めて一日一日の働きを進めたことでしょう。そして神さまは、第6日の最後に神ご自身のお姿に似せて人間をお造りになりました。神さまはそのお働きを「良し」とされています。

 わたしたちは、神さまがお造りになって「良し」とされた世界に生かされているのですが、それだけではなくわたしたち人間もまた神さまから「良し」とされた存在です。ことに人間は、神さまの似姿に造られましたので、わたしたちにはこの世界で神さまのお考えを具体的に示す働きを担う責務があるのです。わたしたち人間は、神さまがこの世界をお造りになって愛しておられることを、人として生きることをとおして示していくのです。

 日本語の「愛」は意味が広く曖昧な言葉ですが、聖書の「愛」とは神がお与えになった命が本来の姿を現すように関わり続けることを意味します。神さまは、いつもわたしたちに関わり続けていてくださり、ことにわたしたちの心に、問いかけ、働きかけ、わたしたちの成長を促していてくださいます。わたしたちは、日々神の問いかけに答えながら、正しいこと、本当のことを判断しながら生きているのです。

 神に愛されて生きている人間にとって、自分と他人を愛することが生きる基本です。でも、自分と他人を愛することは、「何をしても構わない」とか「子どもの願いを何でも言いなりになって叶えてあげる」と言うこととは違います。それは放任であり、神さまから与えられた生きる使命を放棄する無責任な生き方であるとも言えるでしょう。特に子育てや教育にあっては、愛の確かな秩序と方向性が必要なのです。

 たとえば、トマトの苗が伸び始めたとき、その生長を支えるためには支柱を立て脇芽を摘んでこそ立派な実を結ぶことになるように、わたしたちは人としての存在を損なうような悪や危険から子どもを守ることも必要ですし、真実と深く向き合う力を養えるようにしっかりと子どもの心と向き合うことが求められるのです。

 それは、時には子どもにとって自分の思い通りにならない経験になることもあるでしょうし、親子で努力を要する課題となることもあるでしょう。そのような時にも、私たちは神さまが私たちを祝し導いていてくださることを信じて、確かな歩みを続けていきたいと思います。

(あいりんだより2009年6月)

posted by 聖ルカ住人 at 20:07| Comment(0) | 幼稚園だより | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする